血管病変、内臓脂肪貯留の早期診断には超音波検査が有効です
2013-07-05
現在日本人の二大死亡原因は癌と動脈硬化性病変です。特に高血圧、高コレステロール血症、糖尿病、肥満(内臓脂肪貯留)などの生活習慣病では全身の動脈が侵され、重要臓器の血流不足(心筋梗塞や脳梗塞)をきたし、重篤な病態を引き起こします。つまり癌と同様に、血管の動脈硬化性変化や内臓脂肪の貯留を早期に発見・治療することがきわめて重要な課題なのです。
最近の超音波検査装置の進歩はめざましく、全身の血管を明瞭に観察することが可能になりました。また内臓脂肪の厚さも容易に計測可能です。超音波検査には全く苦痛はありません。しかもCTなどと異なり放射線被ばくの心配もなく繰り返し検査することが可能です。超音波検査は簡便でありながら、無侵襲、しかも安価です。最も理想的な検査といっても過言ではありません。超音波検査は外科手術と同様に私にとっては研修医の頃からのライフワークです。
A:頸動脈壁の厚みを測定し、動脈硬化の程度を判定
B:皮下脂肪は厚いが、内臓脂肪は薄い(健常女性例)
C:皮下脂肪は薄いが、内臓脂肪が厚い(動脈硬化予備軍の男性例)